家づくりのスタートは、資金計画から始めるのが理想です。建築士がこのテーマを最初に扱うのは少し珍しいかもしれませんが、住宅取得では数千万円単位のお金が動くため、計画の透明性が家づくり全体の安心感に大きく影響します。
なぜ資金計画が最初の一歩なのか?
家づくりは土地取得をした直後から、やらなければならないこと、関わる人が増え忙しくなる場合が多いです。慌ただしい中で資金の整理をしたり資金計画が不透明ななか重要な決定をするのはストレスがかかります
「家づくりにいくら使えるか」「これからいくら必要か」が曖昧なままだと、土地取得や住宅設計での判断ミスや後悔につながることも。
たとえば:
- 資金準備が間に合わず、理想の土地を逃してしまう
- 気に入った土地を急いで契約した結果、予算が足りず理想の建物が建たない
- 想定外の支出で焦り、楽しい気持ちで家づくりができなくなる
こうした事態を防ぐには、最初に全体の資金計画を立てることが大切です。
1. まずは「自分がいくら借りられるか」を知る
住宅ローンの借入可能額は、年収や現在の借入状況によって異なります。まずは銀行の住宅ローン窓口に行き、源泉徴収票などを提出して仮審査を受けてみましょう。
融資上限、融資期間、利率、団信の条件など銀行ごとに特色がありますのでそれぞれ検討しつつ、ざっくりと条件をつかみましょう
特に土地を取得した後に設計事務所、工務店を選定したい場合は土地融資実行と住宅融資実行の時期が離れるため銀行との調整が必要です。
主なチェックポイント:
- 借入上限額
- 返済期間
- 金利(固定/変動)
- 団信(団体信用生命保険)の条件
- 土地、建物融資実行の時期
この時点で借りる銀行を決定しなくても大丈夫です。 このあとに不動産会社、建設会社等に銀行を紹介される場合もありますし、自分の条件が変わる場合もあります。また融資の利率は交渉できる場合があります
2. 自己資金を整理しておこう
借入可能額とあわせて、自分の手元資金の見える化も大切です。
預金、積立、ローンの残債などをリストアップし、「頭金に使える金額」「毎月返済できる金額」の目安を出しておきましょう。
おすすめの方法:
- 家計簿を2〜3か月つけて支出を把握する
- 月の手取り収入、固定支出、ローン返済額を明確にする
- ボーナスの使い道や教育費・老後資金とのバランスも考慮
3. 税金や補助金も忘れずに
土地・建物を所有すると毎年固定資産税・都市計画税が発生します。住宅新築直後にこの支出を忘れると、資金繰りが一時的に厳しくなることも。
また、時期や自治体によって変動しますが、補助金制度も注目すべきポイントです。
たとえば:
- 長期優良住宅やZEH認定住宅に対する補助
- 地方自治体独自の子育て世帯向け助成
- 国の省エネ促進に関連した助成金
工務店や設計士にも相談しながら、最新情報をチェックして活用しましょう。
まとめ:動き出す前に「資金の見える化」を
家づくりは、夢をカタチにしていく過程です。そのスタート地点である資金計画がしっかりしていれば、土地選びや設計の自由度も大きく広がります。
焦らず、でも着実に。
あなたの暮らしに本当に合った家をつくるために、まずは全体の「資金の見える化」を行いましょう


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